前置き
この映画を生み出してくれてありがとう…ポケモンが好きで良かった。と、観終わった時に思いました。溢れてこぼれるくらいのポケモンへの愛をこの映画から感じます。
ポケットモンスター赤をプレイしたあの日から早24年…ずっと大好きなポケモン。そんな思い入れたっぷりなゲームシリーズがハリウッドで実写映画化とあれば気にならないはずがありません。が、公開前は不安でした。想像以上にリアル路線のデザインにされていたポケモンたちはお世辞にも可愛いとは思えず…単なる色モノネタ映画になってしまうのではないかと。しかし、蓋を開けてみたらそんな心配事はすべて吹っ飛んでいきました。(見れば見るほどみんな可愛いじゃないか…)
公開当時に映画館で2回、吹き替えと字幕をそれぞれ観ました。そして今、レンタルしてきたものを見ながら書いているので3度目の視聴になります。映画の原作である名探偵ピカチュウのゲームは未プレイということもあり、初めて観た時は新鮮な気持ちでこの世界に入り込めた気がします。
語りたいことがありすぎるのでうまくまとまるか心配ですが気にせず進んでいきましょう。
本編の感想
初っぱなからミュウツー登場。出ミュウツーですよ出ミュウツー。何やら不穏な空気ですね。
そして空を飛ぶピジョンたち…。公開当時たくさんの人たちの感想文を読んだのですが、ここでまず泣いている人が続出していました。わかりますその気持ち!だってハトでもなくカラスでもなくピジョンが飛んでるんですよ!空を!当たり前のように!!そりゃ泣きますわ。バッフロン、ワシボン、そしてカラカラ…どんどん出てくるポケモンたち…。そうかこの世界にはポケモンがいるんだ、当たり前のように(泣きポイント1)。
カラカラの泣き方…これは制作陣ポケモン図鑑を読んでいますね!(泣きポイント2)。私はポケモン図鑑を読んでポケモンの生態を妄想するのが好きなのですが、そうですカラカラはこうやって泣くんです。ほねブーメランがうまく決まって喜ぶカラカラの可愛さ。
と、このペースでいくとキリがないのでポケモンたちについては後述することにします。主人公ティムが乗り物で移動している時に見るVTRで「昔の人々はつかまえて育成し~」と語られています。そしてここで描かれている「昔のポケモン」の姿形は私たちがよく知るキャラクターとしてのポケモンの姿です。このあたりはまた後ほど印象的なシーンがあったのでそこで語ります。
さて魅惑のライムシティ。このシーン、本当にたくさんのポケモンが出ていて目が足りません。この街では人間とポケモンが一緒に暮らしているんだという設定が一目でわかるこの描写、ワクワクしないはずがありません。きっと画面に映っていないところにもポケモンがいるんだろなという想像力をかき立てられます。ゴルーグはロマン。ゼニガメが消防士と一緒に消火活動をしているシーンの素晴らしさよ…(泣きポイント3)。
ティムが父親とうまくいっていなかった、その父は既に亡くなっている、ということがわかったところでピカチュウとの出会いシーンに移っていきます。さりげなくピョンピョンするバチュル可愛いねぇ。ガラスに張り付くキモリ可愛いねぇ。
このピカチュウ登場シーンも素晴らしいですね。この段階で溢れんばかりの可愛さ。たとえおっさんボイスであったとしても(日本語吹き替えの西島さん、違和感がなくてとても良かったと思います)。謎の煙の力で凶暴化するエイパムのシーン。ライムシティはポケモンと共存する街ということですが、ポケモンにはこのように危険な一面もあるんだということがわかるので私は好きなシーンです。人間に従順な生き物という存在ではなく、彼らもモンスター、一歩間違えたらこのようになるんだということは現実の様々な生き物と人間の関わり方とも通じてくるような気がします。ところでエイパムが使っている技はなんでしょう、ダブルアタックかな(適当)。ここでしれっと大谷さんボイス登場。長く親しんできた大谷さんの声…こんな風に起用してくれて嬉しいですね。
ストーリー展開ももちろんちゃんと見ているのですが、ピカチュウの一挙一投足が全部可愛すぎてもふりたくて仕方がない。「今10万歩を目指してるんだ」…小ネタをがつがつ挟んでくるの、粋ですね。
さてここでアンダーグラウンドな施設が出てきます。ティムとピカチュウはここに手がかりがあると知り訪れるのですが…。このクラブのような施設、たまらん。ポケモンバトルが禁止されているライムシティですがここでは隠れてそれをやっているというものです。いけないことであるはずのポケモンバトルですが何故でしょう、すごくワクワクします。ポケモンはバトルをするものだと、24年間の間で脳に刻み込まれているのだと思います。ポケモンと人間が共に暮らす世界観を見て感激するのと同時に、ポケモンバトルを見て熱くなるのもまたポケモンファンの姿なのです。ゲンガーVSカメックスも熱いですがピカチュウVSリザードンもまた激い。このリザードン、きっとヒトカゲから育てられたんだろうなということが感じられて萌えます。10まんボルトを出そうとして何か別のものが出そうで心配になりますがここのピカチュウとても可愛いです。いろんなポケモンが暴れ出すシーンも目が足りません。この映画全然目が足りなくて困ります。宙に舞い上がるピカチュウをキャッチするシーンは原作ゲームへのリスペクトっぽいですね。未プレイですがそんなシーンがあったような気がします。愛ですね。
この映画はミステリーとしてはどうかという声もありますが、複雑すぎずかといって適度なミスリードもあり、わかりやすくて良いんじゃないかと私は思っています。ミステリーにポケモンの能力を絡めてくる他にないところも魅力のひとつかと。
そんなミステリー色が少し強まってきたところで怪しげな研究施設が出てきます。大人気キャラであるゲッコウガをこのポジションにしたことが個人的にはとても良いなと思っています。ゲッコウガはあくタイプのポケモン、こういうところが見たかったんだよ!という気持ちです。次のドダイトスも同じく。予想の範囲内かもしれませんがドダイトスのこのような使い方は上手いなぁと思うし、ポケモン個々の生態や個性や伝承を重んじてくれているようで本当に素晴らしいと思いました。愛だよ。
そして…フシギダネきた~!!!!!フシギダネ大好き!!可愛いよ可愛いよ飼いたいよ。可愛すぎやしないかこの子。(以下、別途下の方で叫んでおります)。深刻なシーンなのにフシギダネが可愛くてそれどころではない。いっぱいいる~!!ネマシュも神秘的で良いですね。好きです。
さらに物語は進みライムシティのパレードが始まろうとしています。このシーンについては下で別途語りますが、言葉に言い表せないような不思議な感動に包まれてさめざめと泣きながら見ていました(泣きポイント4)。話題になったしわしわピカチュウも登場。眉間にしわをよせ耳の垂れたピカチュウの可愛さ100億点。
そういえばハワードのオフィス、中央にアルセウス、両隣にディアルガとパルキアのオブジェ?があります。この3匹のチョイスというのもなかなか。
さあ物語も終盤です。黒幕が明らかになり怒濤の展開に。技は出せないとはじめ言っていたピカチュウがとても敵いそうにないミュウツー相手に奮闘するシーンの熱さ(泣きポイント5)。このあとは若干展開が早いような気がしなくもないですが、もやはそこは私にとっては問題ではありません。
泣かずにはいられなかったエンドロール
最大の号泣ポイントであるエンドロール(泣きポイント6)。あ~良い映画だったな~と余韻にひたる間もなくこのエンドロールが流れます。これ以上の原作リスペクトがあるかよと言うくらい、愛に溢れた愛しか感じない最高のエンドロールでした。ここに至るまでに泣いているわけですがここで完全にとどめを刺されました。懐かしい24年前のようなドット絵…思い出がたくさん詰まったポケモンたちのイラスト…そして極めつけはあの曲!ポケモンオタクたちはこの曲が流れると高確率で泣きます(偏見)。今までのポケモンに関する思い出が次々と頭の中に浮かんできて、これが走馬燈か…と思いました。映画館でこんなに引くほど泣いたのは本当に久しぶり、いや初めてだったかもしれません。バスタオルを持って行かなかったことを後悔するくらい。
ぶっちゃけた話、この映画にそこまでの期待はしていませんでした。しかし見終わった時に感じたことは本当に見て良かったという思いでした。それと同時に、ポケモンのことを好きでいて良かったとまで思いました。24年間ともに歩んできた思い入れがありすぎるゲームです。はじめはドット絵でした。ポケモンと一緒に暮らしたい、ポケモンの世界に行ってみたい、そんな滑稽かもしれない夢をかなえてくれたように思いました。ポケモンは架空のキャラクターですが、確かにずっと一緒にいました。そこに現実と空想の垣根はないのかもしれません。繰り返しになりますが、この映画を見ることができて本当に良かったです。少しでもポケモンに愛着がある人は一度見てみてほしいなと思う映画です。
余談ですが、ボロボロに泣いたあと映画館を出て街を歩きながらポケモンを探してしまいました。どこを探しても見つからないことにまた泣いてしまいました(泣きポイント7)。どうしてこの世界にはポケモンがいないのだろう…そんなことを考えながら帰りました。こんな感想を抱かせてくれる映画はなかなかないです。
さあまだ続きますよ。
【ポケモンという存在について】
この映画を見ていて非常に印象的だったのが、ライムシティ10周年パレードのシーンです。 パレードの様子を映す画面やバルーンのデザインは私たちがよく知るポケモンの姿が描かれていました。それは私たちがこれまで触れてきたゲームやアニメで見てきたポケモンたちの姿でした。しかし、この映画の中で生きているポケモンというのはリアル路線の姿です。見方を変えてみると、本来ポケモンというのはこの映画のようにリアル生き物のような姿で、私たちはそんなポケモンという生き物をデフォルメしてゲームやアニメを楽しんでいるんだと。これ…凄い描写だと思いませんか…(泣いてる)。もう少し見方を変えると、ポケモンは私たちと一緒に当たり前のように生きているということになります。現実の私たちだって犬や猫という生き物をデフォルメしたキャラクターを生み出して楽しんだりしています。それと同じことなんだ…ポケモンはいるんだ…!みたいな。うまく言えませんがこの描写に言葉にできない素晴らしさとポケモン愛を私は感じました。ここで一気に現実とフィクションが地繋ぎになったような感覚です。ポケモンはずっと側にいてくれたんだ…いるんだ…(ずっと泣いてる)。
【ポケモンたちについて】
ピカチュウ→すべてが可愛い。可愛いの塊が動いている。さすが世界のピカチュウ。私はピカチュウが特別好きというわけではないのですが、そんな私でもやられるレベルの可愛さ。この黄色い電気ネズミがこれからもたくさんの人に愛されますように(誰)。
コダック→ピカチュウの次にたくさん出ていたと思われます。ちょっと抜けてるような放っておけない可愛さがあります。おんぶ紐?でおんぶされるコダックの愛らしさ。
バリヤード→予告編で話題をかっさらっていったことが記憶に新しいわけですが…見れば見るほど愛らしく見えてくる不思議。表情豊かで良いかんじ。一緒に暮らしたら楽しそうです。
プリン→あの歌を歌っている!プリンの歌といえばこれだよ…!
ブルー→可愛い。愛嬌があります。
ゲンガー→なんというきも(すみません)さ…いやしかしゲンガーはこうでないと。可愛いだけじゃないのがゲンガーの魅力。ゴーストタイプらしい不気味さが出ていて最高でした。しかも強い。
ドゴーム→功労賞をさしあげたい。ドゴームがいそうなところがまさにここ、という感じでした。怪しいガスを吸ってハイになってからのドゴームが歌う?ダブステ(でよいのでしょうか)もイメージピッタリで最高でした。
リザードン→爬虫類っぽさが凄くて感動。リザードンの造形は本当に素晴らしいなと常々思っています。モンスターとして完璧なフォルムですよね。火も吐くし空も飛ぶし。
コイキング→魚っぽさが凄い。
ギャラドス→強い。さすが強い。でかい。
ゲッコウガ→カッコいい描かれ方をしていてとても好きです。みずしゅりけん良いですよね~。
ドダイトス→きっと図鑑を読んだんだろうなと思わせてくれたポケモンの描写がドダイトスでした。うまく言えませんがすごくロマンを感じました。
フシギダネ→どう考えても可愛い。可愛いがすぎる。フシギダネ超可愛い。持って帰りたい。たくさんいたから1匹くらい持って帰っても良いかな…うちにおいで。歩き方が超絶可愛いんですよ。てちてち歩く。よく見るとあくびをしてる子がいたりして個体によって性格も違うのかななんてことを考えると本当にかわいくてかわいくて…。
メタモン→最強疑惑。変身して目が・・になるところもリスペクトを感じます。
ミュウツー→このポケモンは原作でも派生作品でも何かと特別な扱いを受けている気がします。人間に造られた最強のポケモンという特殊な存在。これまで様々なところで大切にされてきたその設定をこの映画も踏襲していました。ミュウツーという存在を大切に描いてくれてありがとうという気持ちです。
まだ何か忘れている気が…でもこのへんで締めておきます。最後に言うことではないですが皆さん是非見て下さい。
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